あらすじ

 敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで製作アシスタントをしているジーン。映画に心を奪われた彼は、観た映画をすべて記憶している映画通だ。映画を撮ることにも憧れていたが、自分には無理だと卑屈になる毎日。だが、ポンポさんに15秒CMの制作を任され、映画づくりに没頭する楽しさを知るのだった。
 ある日、ジーンはポンポさんから次に制作する映画『MEISTER』の脚本を渡される。伝説の俳優の復帰作にして、頭がしびれるほど興奮する内容。大ヒットを確信するが……なんと、監督に指名されたのはCMが評価されたジーンだった! ポンポさんの目利きにかなった新人女優をヒロインに迎え、波瀾万丈の撮影が始まろうとしていた。

CLAP Animation STUDIO WORKS 作品情報より引用)

 

 今回は、何か一つを愛する全ての者へ送る名作『映画大好きポンポさん』を紹介していくのじゃ!

 ストーリーに関してのネタバレを含むから、注意して読み進めてほしいのじゃ

 

  • 神経の先にまで行き渡る映画愛
  • 命を賭す者たちの群像劇
  • 最後に

 

神経の先にまで行き渡る映画愛

 

 この作品はポンポさんの語る映画論から演出、登場人物一人ひとりに至るまで映画への愛で溢れておる!

 例えば「泣かせ映画で感動させるより、おバカ映画で感動させる方がかっこいい」「2時間以上の集中を観客に求めるのは現代の娯楽として優しくない。制作者はしっかり取捨選択して、できる限り簡潔に伝えたいメッセージを表現すべき」というポンポさんの映画に対する信念が作品に対してある種メタ的に反映されているのが特徴的なのじゃ(もしこの作品を観たのなら、最後にもう一度上映時間を確認してみてほしいのじゃ)

 また、画面全体もアニメとしての誇張はありつつも実に実写映画の香りを感じるのじゃ

 画面からストーリー構成まで、全てが映画愛に溢れておる最高の一作、是非自身の眼で確かめてほしいのじゃ!

 

命を賭す者たちの群像劇

 

 この作品はジーン初の監督作品『MEISTER』の制作を完成させるために集ったスタッフやキャストの群像劇なのじゃ

 人生に映画しかなかったギークのジーン、女優になるためにひとり都会に越してきたナタリー、隠居生活を送っていたがこの映画のために復帰した伝説の俳優マーティン、そしてジーンを監督として抜擢した敏腕プロデューサーポンポさん。さらにさらに、ここには書ききれないほどのスタッフや外部の協力者。映画制作に関わるすべての人々が自身の持ち場で命を賭すストーリーは胸を熱くし、時には涙すること間違いなしなのじゃ!

 しかもこの作品はここで終わりではないのじゃ

 撮影し終わった計72時間の映像。そのカット編集をジーンの一手に任せられるクライマックスは情熱的に積み上げられた群像劇があったからこそ響く、狂気的とまで言える衝撃シーンなのじゃ!

 たった一つを残すために他の全てを切り捨てる。是非本編を視聴して編集シーンの迫力に震えてみるのじゃ!

 

最後に

 

 この作品はワシに大事な事を思い出させてくれたのじゃ

 ワシの言葉で言うと「どう生きるかではなく、どう死ぬか」なのじゃ

 心に残る映画体験というのは作品そのものだけではなく、自分の心境も大切になるのじゃな

 ワシもこの作品のような活動ができるように頑張らねばなと思うたのじゃ

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