あらすじ

 世次愛(よつぎめぐみ)は、深夜のゴミ捨て場に捨てられていた美しく奔放で掴みどころのない女、古橋琴葉と出会う。

 たちまち琴葉の魅力に囚われる愛だったが、友達になることは固く拒まれてしまう。

 そんな琴葉が持ちかけてきたのは、友達ではなく”恋人”になること──

 そして、自分が改名して”琴葉”になる前の”本当の名前”を当てられたら、愛の望み通り友達になる──という奇妙な賭け。

 仮初めの”恋人”としてぎこちなくも関係を深めていく二人だったが、琴葉の”本当の名前”に秘められた凄絶な過去─呪い─は、そんな幸福な時間が続くことを許さなかった──。

(講談社BOOK倶楽部 『コールミー・バイ・ノーネーム』内容紹介より引用)

 

 今回はワシの大好きな小説「コールミー・バイ・ノーネーム」(作:斜線堂有紀、星海社)を紹介しつつ、「愛い!」ポイントを語りつくしていこうと思うぞ!

 なお、本作のネタバレは可能な限り避けようとは思うておるが、「この記事のせいで先の展開が読めちゃった!最悪!」ということがあるやもしれぬ。その点を了承できるもののみ続きを読み進めておくれ

  • 澄んだ硝子のような恋愛描写
  • 強烈なカタルシスを生むミステリー
  • 軽快な登場人物たちの掛け合い
  • 最後に

 

澄んだ硝子のような恋愛描写

 本作の何が好きかと問われてワシが真っ先に挙げるのは恋愛描写になるのう

 本作は主人公である愛の一人称視点で物語が描かれておるのじゃが、知的で力強くも繊細な物語が読者の脳内に直接流れ込んでくるような地の文になっておるのじゃ

 読みやすくも没入感が凄まじい文章は一度読み始めた人物の眼を逃さない強烈な引力を秘めておるのじゃ

 特に第三章の終盤から第四章開始にかけての地の文は本当に大好きなのじゃ、ワシ!

 

強烈なカタルシスを生むミステリー

 本作の最終盤、琴葉の”本当の名前”についての解答編が描かれているのじゃが、ワシは総てを理解したときに震えたのじゃ!

 琴葉の”本当の名前”、改名の動機、彼女がとってきた言動、それら全てがそこに詰まっておったのじゃ!

 正直「名前を当てるなんて無理筋な物語をどうやって纏める気じゃ?空中分解して終わりじゃろう」と思うておったが、あまりに美しすぎる伏線回収の数々に心臓を直接握られたかのような衝撃を受けたのじゃ!

 物語には無限の可能性がある、そう思うたのう

 

軽快な登場人物たちの掛け合い

 恐らくこれは「地味愛い」ポイントとなるのじゃが、人物同士の掛け合いの軽快さが読みやすさを更に促しておったと思うのう

 重要な場面ではどっしりと効きつつも洋画を思わせるリズミカルなセリフの数々は、上質な恋愛とミステリー描写を彩るスパイスとなっておるのじゃ

 その例を示すためにも序盤のセリフを引用してみるぞ

村田(琴葉が出入りした家の男)「いきなり何、あ……コトハの、友達? 俺コトハに大事な話があって」

愛「はあ⁉ 友達に乳首舐められてたまるか!」

 

最後に

 今回も怒涛の勢いで好きなものを紹介させていただいたのじゃ!

 気になった方は、是非下のリンクから買って読んでみてくれると嬉しいのじゃ!

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